「ビッグーデータ」というトレンド
概要
日経コンピュータ 2012/2/2号の「ビッグデータ大作戦」というコピーに惹かれて読んだメモ/感想など。
データ活用の3つのヒント
- 「データを自ら生み出す」
- 旧来の情報システムが今まで無視していた分野に着目し、情報を生み出す.
- 「データに語らせる」
- 既に保有する情報を掛け合わせるなどをすることで、従来では得られなかった情報をを把握する.
- 「データを深掘りする」
- より深く、高頻度に分析することで、マーケティング精度向上を狙う.
事例
- ゆめぱ - 城崎温泉
- 旅館、入浴施設、商店にFeliCaの読み取り装置置くことで毎月10万件の利用データを得て、従来できなかった細かな分析を可能にした事例。
- ウェザーニューズウェザーリポート Ch. - ウェザーニューズ
- 携帯のGPSとカメラの2つの機能に着目し、全国にいるユーザを簡易版の気象レーダーと見立てて、従来サービスより繊細な精度かつスピーディな気象予報を実現した事例。80%の確率でゲリラ豪雨を事前予測できるらしい。
- 「全力案内!」- NRI
- 現在主流のVICS情報に加えて、全国のタクシー会社と契約し13,000台の走行情報を取得することで、より細かな交通状況を把握することができた事例。今まで難しかった裏道の渋滞状況まで把握可能になったとのこと。実際に3.11の大渋滞の時にも大活躍したとか。
- ごみ処理場制御システム - 日立プラントテクノロジー
- ごみ処理施設、各種工場などのクレーンの国内大手である日立プラントテクノロジーでは、クレーンの位置や荷物の重さなどのデータをリアルタイムに把握することで、異常時の検出、各種機器の劣化や故障の兆しなどを早期発見することで、クレーンのダウンタイムを低減した事例。
- カゼミル+ - エスエス製薬
- Tweetというビッグデータを活用した事例の一つ。つぶやきを分析し、風邪の流行を予測するもの。可視化のUIも面白い。
- 加速度センサー、ジャイロセンサーを用いた飲食業の業務改善 - がんこフードサービス & AITS
- 試着データのログを取る - トリンプ・インターナショナル・ジャパン
- 試着はしたが、購入はしなかったという(POSデータに残らない)ユーザの行動データを蓄積する仕組みを取り入れた事例。より細かな分析につなげることができるようになったとのこと。 参考:slide
- Suica購入データをマーケティングに利用 - JR東日本ウォータービジネス:
- Suica決済端末のついた自販機のPOSデータとSuicaポイントプログラムのユーザの会員データを利用したマーケティング事例。参考:slide,その他参考:清涼飲料の自動販売機における電子マネーを 活用した新たなマーケティング戦略-NRI
- Ponta- ローソン
- ローソンの共通ポイントプログラム「Ponta」の購買履歴+YahooのNet上の行動履歴を組み合わせたマーケティング事例。 参考記事:タヌキのカードに託す野望 ローソン「Ponta」展開
- 自社ネット通販サイトのログ解析 - ジャパネットたかた
- ネット通販のユーザの行動履歴を分析しているらしい。顧客が離脱したページの把握し、リンク構造を改善することにより、購入確立を高めた事例。(活用手法としては新しい点はないように思えた。きっと「ジャパネットたかた」はテレビでの販売しているイメージが強いけど、ネット通販部門にも相当力を入れているんだよという紹介というニュアンスの記事だったんじゃないかな。)
- ニコニコ動画でのログ解析 - ドワンゴ
- ユーザの行動ログ解析から、適切な動画を推薦することに力をいれているとか。初期ユーザの嗜好がわかるまでは、万人受けする動画、ある程度市長履歴が蓄積されてきたら、濃いめの動画を推薦するようにしているらしい。(濃いめの動画ってどうやって定義しているんだろうと思った.)
- カーセンサーnetでの取り組み - リクルート
- 中古車は新車と異なり、所持している情報が多いので、以前は計算機の制約でユーザが観覧したメーカー、車種など限られた分析しかできなかったが、計算機能力向上の背景により、より細かな分析が可能になり現実味のある情報を提供できるようになったよという事例。広告主との商談にも役に立つデータとなっているらしい。
- 行動データ分析 - Platform ID(オプトとカルチュア・コンビニエンス・クラブが共同出資)
- WebブラウザのCookie情報をもとに行動履歴を収集し分析しているとのこと。TSUTAYA会員の利用履歴とも組み合わせているらしい。
- 宿泊施設向けに分析ツールを提供 - 楽天トラベル
- 毎日10万件の予約を仲介している楽天トラベルでは、提携している宿泊施設向けに、マーケティング施策を打つための手掛かりになる「オンハンド予約分析ツールの提供」しているという仲介業務ならではのビッグデータ活用事例。月2万円で利用可能とのこと。
- 街作りに生かす - NTTドコモ
- NTTドコモが研究する「モバイル空間統計」の事例。公共交通機関の再編成などの街作りに生かしていく取組みをしているんだと。 参考:モバイル空間統計とは-NTT docomo
感想
「ビッグデータ」というと、ついついWebServiceを運営している企業で行動データ、Logデータから自社のサービスの改善につながるような活用事例ばかりを想像しがちだったが、他業種においての活用事例を知ることができた。その他にも医療業界での活用例なども最近のHot topicらしいし。
文書/音声/映像/ログ/センサーなど分析対象となるデータは様々で、改善につながるための活用方法も無限に多様性があるのだから、広い視野で柔軟な発想ができるように意識したい。
ビッグデータを自在に扱えるエンジニアになるために
- データ分析の基礎理論
- 統計学
- データから法則を発見する方法論
- 得られた法則から改善につながる提案ができるような視点
上記のスキルを身に付けていければいいなーと考えている昨今。
きっと、ある程度の上記の能力を身に付けた暁には今とは違った世界観が広がっているんじゃないかと夢見ている。
最近、いろいろと忙殺されぎみだったので、自己の目標を整理するいい機会になったんじゃないかな。
精進します。
※ 雑誌の内容をメモるというレベルではなかったと少し不安に思いながら記事を書いていた。何か問題があれば、お手数ですが、ご指摘いただければと思います。